ナイスショットのはずが、無情にも林の中へボールが消えます。
頭が真っ白になり、焦って打った一打で、その日のスコアも気分も台無しにしてしまった経験はありませんか?
その場しのぎの対応を続けると、100切りは遠のくばかりです。
この記事を読めば、林からの脱出でピンチを冷静なチャンスに変える「思考法」と「具体的な手順」を解説します。
林に入った瞬間どう思考をリセットするか?

林にボールが入った瞬間、スコアのことは一旦忘れましょう。
ここで重要なのは、テクニックよりもまず心を整えること。
この一打が、あなたのゴルファーとしての器を試しています。
①林に入る=終わりではない。ここから「もう一度リスタート」だと考える
ボールの場所へ向かう前に、一つだけ試してほしいことがあります。
それは、グローブを締め直しながら、ゆっくりと深呼吸をすることです。
この小さな「儀式」が、不思議と心を落ち着かせ、「ここからが本番だ」という切り替えスイッチの役割を果たしてくれます。
ポイント
- 過去と未来を切り離して考える
- ミスをした後、リセットの儀式を持つ
②大事なのは「どんな状況でも冷静に判断できるプレーヤー」になること
同伴者から「上手い!」と尊敬されるのは、実はトラブルを冷静に乗り越える人です。
ナイスショットは誰でも打てますが、難しい状況で最適な手段を選べる姿こそが、真の実力と言えるでしょう。
林の中は、あなたのゴルフIQが試される「ボーナスステージ」だと思ってください。
ここでパーを狙う必要はありません。
大切なのは、安全な場所へ戻り、普段通りのプレーに復起することです。
この賢い判断こそが、結果的にスコアを守り、ゴルフを長く楽しむ秘訣になります。
ポイント
- 冷静な判断こそが真の実力
- トラブルはあなたのゴルフIQが試される場所
- 目標は「通常プレー」への復帰
大叩きを防ぐために最初から「パー」を狙うな

林に入った瞬間、ゴルファーとしての本当の賢さが試されます。
ここでは、攻めることではなく「損切り」する勇気がスコアを守る最大の武器でしょう。
大叩きを防ぐための、思考法を手に入れましょう。
①なぜスーパーショットの一打を夢見てしまうのか?
無謀な一打に賭けてしまうのは、実はとても人間らしい感情の表れです。
テレビで見たプロの神業が「自分もできるはず」と囁きかけ、同伴者からの視線を恐れたり、煽られたりで小さなプライドが顔を出します。
しかし、ゴルフはナイスショットの数を競うのではなく、大きなミスを避けプレーヤー自身の感情を抑えながら行う我慢比べです。
練習で7割以上成功しそうにないショットは、本番のラウンドで成功するはずがありません。
そのシンプルな事実に気づくだけで、あなたのゴルフは大きく変わります。
ポイント
- 一か八かのスーパーショット
- 同伴者からの視線と小さなプライド
- ゴルフは大きなミスをしないのがゲームの本質
②ボギーで上出来と目標を再設定する
林からのショット失敗は、簡単にプラス3打以上のビックイニングになる可能性があります。
一方で、安全な横への脱出は、たったのプラス1打で切り抜けられる、この単純な算数こそがスコアメイクの第一歩。
これからは「ボギーで残念」ではなく、「よし、ナイスボギーセーブ!」と自分を褒めてあげましょう。
ラウンド前に難しいホールへ「ボギーOK」と印をつけておけば、心に余裕が生まれて、堅実な横に出す選択がしやすくなります。
ポイント
- 「ナイスボギー」とポジティブに考える
- スコアメイクはシンプルにする
- 難しいコースは「ボギーOK」と心の準備をする
③焦りが消え、次のショットに集中できる
無理な一打の後には、必ずと言っていいほど怒りや焦りが生まれます。
その負の感情が、次のプレーまで悪影響を及ぼし「怒りの連鎖」を引き起こします。
しかし、安全な一打を選ぶと決めた瞬間、不思議と心拍数が下がり、冷静さを取り戻せます。
これはコースに心を支配されるのではなく、あなたがゴルフをコントロールしている証拠です。
この潔い判断は、プレーをスムーズにするマナーでもあり、周りから「わかっているな」と一目置かれるきっかけにもなります。
ポイント
- 負の連鎖を断つ
- ゲームをコントロールする感覚
- 潔い判断はプレーをスムーズにする
もう悩まない!林から確実に出るための3ステップ
林からの脱出方法を3ステップの図解で紹介します。
以下の文章で詳しく解説してあります。
もう悩まない!
林から確実に出るための3ステップ
STEP①:状況確認(まず見ること)
空間の確認
- 安全な脱出ルートを探す (真横もOK)
- 一か八かのギャンブルはしない
ライの確認
- ボール下の状態を最優先で見る
- 悪いライでは無理は禁物
STEP②:クラブ選択(何を使うか)
基本クラブ
7番アイアンが最適。低く打ち出せる。
ライが悪い場合
落ち葉が多いならミスに強いUTも有効。
STEP③:打ち方(どう打つか)
原則:徹底的に「転がす」
構え(アドレス)
- ボールは右足の前
- ハンドファーストの形を作る
スイング
- コンパクトに、横から押し出すイメージ
- フォローは低く抑える
心が整ったら、次はいよいよ林からの脱出の実践です。
林からの脱出は、難しい技術ではなくシンプルな公式を覚えるだけでOK。
以下の3ステップを覚えておけば、もうパニックになることはありません。
STEP①:まず見るべきは林からの「空間」と「ライ」
高速道路が渋滞している時、ためらわずに一般道へ降りられるのはベテランドライバーの証拠かもしれません。
ゴルフも同じで、グリーン方向だけが出口ではなく、真横に脱出するのも戦略手段の賢い選択です。
まずは確実に抜けられる空間を探し、スコアを出したいのなら一か八かのギャンブルは絶対に止めましょう。
次にボール下のライ(状態)を確認し、ダフリそうな状況なら無理は禁物。
この冷静な状況確認こそが、脱出の成功を大きく左右します。
ポイント
- 安全な脱出ルートを確認する
- ボール下のライを最優先で確認
- 安全策を取るのが賢明な判断
STEP②:クラブは「7番アイアン」が基本、ケースによりUTも使用
林からの脱出には、基本的に「7番アイアン」だと考えてください。
ボールが高く上がりすぎて枝に当たるウェッジと違い、低く打ち出しつつもボールをしっかり拾ってくれる絶妙なクラブです。
もしあなたが7番アイアンより、6番アイアンのほうがボールの高さや方向性をコントロールしやすいのであれば得意なほうを選びます。
もし目の前が広く、落ち葉が多いなどライが悪い場合は、ミスに強いUT(ユーティリティ)を使うこともOK。
ボールがフカフカの葉の上にある時は「無理するな」のサインだと心得て、安全なクラブを選びましょう。
ポイント
- 基本は7番アイアンで低く打ち出す
- 落ち葉が多くダルマ落としになりそうな場合、UT(ユーティリティ)の選択肢
- ライが悪い時は「無理するな」のサインで安全なクラブの選択
STEP③:徹底的に転がしで低く打ち出す
林からの脱出を成功させるには、ボールを右足の前に置き、手元を目標方向に出す「ハンドファースト」の形を作ること。
これだけでクラブの角度が立ち、ボールは勝手に低く転がってくれます。
スイングはボールをすくい上げるのではなく、横からカツンと押し出すイメージでコンパクトにします。
打ち終わった後にクラブヘッドが膝より上に上がらないようし、地面を擦るくらいの低いフォローを徹底してください。
ポイント
- 林からの脱出は徹底的に転がすのが原則
- 低いボールを打ち出す構え
- 打ち終わった後は低いフォローを徹底する
【状況別】この時はこう打つのが正解

林からの脱出には、状況に応じた打ち方の「正解」があります。
基本を覚えたら、次は応用編です。
ゴルファーの賢さが試される、状況別の打ち方をマスターしましょう。
①方向性を重視するためフルスイングでなくハーフスイング
林の中から一発で脱出するための結論は、フルスイングを絶対しないことです。
クラブを短く持ち、スタンスを1足分狭めるだけで、ヘッドのコントロール性は驚くほど安定します。
強く振ろうとするほど、スイングはブレてミスの確率が高まります。
まずは次の一打がプレッシャーを感じずに打てる場所へ、確実に出すことだけを考えましょう。
ポイント
- コンパクトに振る
- フルスイングは厳禁
- 次打で勝負できる場所にボールを運ぶ
②木の根が近い?絶対に無理しない大人の「アンプレヤブル」宣言
お気に入りのクラブが「ガツッ」という鈍い音と共に折れる瞬間を想像してみましょう。
それ以上に怖いのが、手首を痛めて数ヶ月ゴルフができなくなるリスクです。
たった一打のために、ケガやクラブ破損などの代償はあまりにも大きすぎます。
ここは見栄を捨て、1打罰を払って安全な場所から打てる「アンプレヤブル」を宣言しましょう。
それはルールが認めた、自分と道具を守るための賢い選択です。
ポイント
- ケガのリスクを回避する
- 自分のクラブを守る
- 「アンブレヤブル」宣言で賢いルールの活用
アンプレヤブルの内容は、以下の記事を参考にしてください。
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③地面が硬いならトップを恐れない
硬い地面からの脱出では、普段ミスである「トップ」が唯一の正解になります。
「カツッ」という嫌な音がしても、ボールが地面を這って転がればOK。
硬い地面ではクラブが跳ね返されてミスの確率が高く、ボールの頭を狙う打ち方だけが安全です。
ミスの代名詞であるトップを、ここではあなたの必殺技として意図的に使いこなしましょう。
ポイント
- 硬い地面ではトップが正解
- 「カツッ」という嫌な音がしても気にするな
- トップを意図的に使う
④前方がダメなら真横に出すのがベスト
林からの脱出で、わずかな隙間を見ると「もしかしたら」と奇跡を信じたくなるのが人間の性です。
しかし、99%の失敗を選ぶのはゴルフではなく、大叩きが待つギャンブルにほかなりません。
上手い人ほど、こういう場面であっさり横に出す判断ができます。
安全な横に出す一打が次のボギーチャンスにつながり、「ナイスリカバリー」がいかに価値ある一打かを知っています。
その潔さこそ、同伴者から尊敬されるプレーヤーの証でしょう。
ポイント
- スーパーショットの奇跡を信じない
- ナイスリカバリーを目指す
- 上手なゴルファーこそ迷わず安全策を選ぶ
まとめ
林からの脱出は、単なる技術ではありません。
冷静に状況を判断し、パーを潔く諦める勇気を持つ「賢さ」が試される一打です。
この記事で紹介した思考と手順が身につけば、トラブルさえもコース攻略の一部として楽しめるようになります。
次のラウンドでは、ピンチをスマートに乗り越える新しい自分をぜひ試してみてください。
きっと、ゴルフがもっと好きになりますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。