同伴者が半年ぶりのラウンドというゴルファーと一緒にプレーしました。ティーショットで固まって打つまでに5秒前後かかったと思います。
練習場では問題なく打てるのに、実践になるとバックスイングがスムーズにできないゴルファーが多くいます。
今回はスイングのバックスイングをオートマチックに上げるコツと「ハーフスイング」にフォーカスします。
本記事は100切り目標を目ざすゴルフ初心者に向けて、バックスイングを自然で無意識に上げる方法を紹介します。
バックスイングがオートマチックに正しく上がれば、後はクラブの動きを阻害しないようにカラダが回転するだけです。
多くのミスはバックスイングを上げる途中で、フェースが開いたりインサイドに上がりすぎたりするスイングのブレが発生します。
バックスイングが正しくオートマチックに上がると、ショットの再現性が高まりミスが軽減します。
本記事を一読していただき、バックスイングが正しくスムーズに上がるコツをつかんでもらえると幸いです。
バックスイングをオートマチックに上げるには、「ハーフウェイバックまでの動作」が重要になります。
正しくバックスイングが上がれば、劇的にショット精度が向上します。
バックスイングのミスの悩み
アドレスから「いざクラブを振ろう」としたときに、バックスイングの上げ方で悩むゴルファーがいます。
バックスイングの悩みとして、下記の内容に該当するゴルファーが多い印象です。
本記事では、バックスイングのミス原因を深掘りします。
バックスイングの悩み
- インサイドに上がる
- 極端にアウトサイドに上げる
- トップの位置がわからない
- アドレスで固まってしまうなど
バックスイングのミスの主な5つの原因
バックスイングの良し悪しでショット精度がほぼ決まります。
ハーフウェイバックまでの軌道がズレると自分の感性が働き、力んだり余分な動きが入ったりしてスイングの再現性が悪くなります。
おさらいですがハーフウェイバックとは、アドレスからバックスイングでシャフトが地面と平行になるまでの上がった位置のことを指します。
バックスイングの主なミス原因を5つ紹介します。
①クラブを手や腕で「ヒョイ」と上げる
スイングの始動は、カラダの動きと若干遅れて手元とクラブが動くのが本来の形です。
しかしカラダが回転する以上に、手だけでクラブを上げるゴルファーがいます。
手だけでクラブを上げた場合、クラブフェースの管理ができずスイング軌道もバラバラになる弊害があります。
アドレスから始動のバックスイングでは、手とカラダの関係性を崩さないように同調を意識し、一体感のあるバックスイングを目ざします。
②スウェーして中心軸がブレる
多少のブレは許容範囲内ですが、スタンス幅以上にスウェーするゴルファーがいます。
スウェーとは、スイング中にカラダが左右にブレることです。
スウェーはバックスイングを上げたときに、骨盤が右側に移動する場合です。
スイング中に元の位置に戻れば問題ないが、修正できないとトップやダフリのミスショットを誘発します。
カラダの回転が不十分だとスウェーが出るので、スイング中に捻転することも重要です。
アドレスのスタンス幅の中でスイングし、スイングに余分な動作は取り除きましょう。
③上半身が伸び上がる
スイング中に、前傾姿勢の角度がキープできないとミート率が極端に落ちます。
前傾角度がキープできないで上半身が伸び上がると、クラブフェースは開きます。
前傾姿勢が一度伸びるとスイング中に元の良い状態に戻すのは困難で、手でボールに合わるスイングになります。
フェース管理が難しい上に、ミート率が著しく低下します。
④クラブがインサイドに上がる
①の手で上げるのも原因ですが、カラダが横回転するのもクラブがインサイドに上がります。
インサイドにクラブが上がったショットミスの傾向は下記の通りです。
インサイドに上がるミスの傾向
- クラブを担ぐと、シャフトクロスになりやすい
- 前傾角度が解け、アーリーリリースになる
- アウトサイドインのスイング軌道になりやすい
- インパクトで手元が浮き、シャンクが出るなど
⑤クラブがアウトサイドに上がる
手元のグリップがカラダから離れ、典型的な手上げのスイングです。
左への引っ掛けやスライスのミスなどが出ます。
アドレスで構えた手元のグリップとカラダの位置関係を保ちます。
手とカラダの距離が極端に変わらないように始動時は注意してクラブを上げます。
カラダと腕に一体感があるときは、両脇が程よく締まっている状態です。
スイング始動時は腕は力まず固めない状態にし、両肩とグリップを結んでできた三角形を崩さないことも大切です。
効率の良いバックスイングを正しく上げる方法
スイングは振り子の円軌道の動きによりクラブが動きます。
スイングの始動の段階でズレたら、余分な動きを修正しなければなりません。
効率良いバックスイングを正しく上がるために、後述の方法をヒントにして自分に最適なものを取り入れましょう。
スイング中に意識したい感覚
アドレスのときに、クラブを持つグリップと手首の角度をハーフウェイバックまでキープします。
胸を動かしたときにクラブが遅れてくる感覚
クラブをお腹の前で水平に持ち、カラダを左右に動かすと、クラブが若干遅れて戻ります。
クラブはカラダが回転しただけ動きます。
実際のスイングでは腕が先行してカラダ以上に手が動いたり、カラダの正面からクラブが外れたりするのはNGです。
トウ側を上に向けてフェースがシャット気味になるようにクラブを動かす
スイング中に一度フェースが開いた場合、戻すことは困難です。
クラブの偏重心の特性からフェースが開きやすくなります。
バックスイングからハーフウェイダウンまでは、フェースをシャット気味に閉じて動かしましょう。
ハーフウェイダウンは、切り返しからダウンスイングでシャフトが地面と平行になる位置です。
クラブの上げ方がわからなくなったら、下記の手順で基礎に戻る
ハーフウェイバックまでのクラブの上げ方がわからなくなった場合は、下記の手順でクラブの上げ方を確認します。
クラブフェースの向きは、グリップの握り方も関係します。
スクエアグリップから、自分の球筋などを考慮して最適なグリップを取り入れましょう。
本記事では、グリップの話しは割愛します。
クラブの上げ方の手順
- 前傾姿勢を取らず、クラブをお腹の前で持ちます
- お腹の前で持っているクラブはそのままで、カラダを右横に回ります
- 直立の状態から前傾姿勢を取ると、適正なクラブポジションです
クラブヘッドは外に上がり、手元は内側(カラダの側)を通る
バックスイングでクラブを上げるときは、左手の甲を地面に向けます。
自然に左脇が閉まりクラブフェースはシャットに上がります。
ハーフウェイバックのクラブ適正ポジションは、クラブヘッドが外に上がり手元はカラダの側を通ります。
手首の角度
ハーフウェイバックまでは、アドレスで構えたグリップと手首の角度を極力崩さないように保ちます。
両肩とグリップを結んだ三角形を崩さないようにクラブを上げましょう。
決して手や腕を固めてはいけません。
クラブフェースの向き
クラブフェースの向きは、前傾角度と平行になることです。若干クラブを上げるときは、シャット気味にクラブを閉じて上げます。
ゴルフクラブはL型の形をし、偏重心の特性があるためクラブフェースが開きやすいためです。
前傾角度のキープ
前傾角度がキープできないと、クラブはインサイドに上がりフェースは開きます。
クラブがインサイドに上がると、ラインクロスになったり無理にスイング軌道に乗せたりしても、フェースが開いているため再現性に欠けます。
さまざまなショットのミスが生じるので、前傾姿勢の角度を保つ必要性があります。
ハーフウェイバックで自分のカラダの前にクラブがあるのが条件
ショット精度を高めるには、ハーフウェイバックのときにカラダの正面からクラブが外れないことが前提条件です。
カラダの正面からクラブが外れるとは、右肘がカラダの正面になく背中側に抜けている状態。
クラブはインサイドに上がっています。
ハーフウェイバックまでの段階で、バックスイングがズレているとショットに影響が出ます。
スイング中は、手元のグリップはカラダの側を通過し、ハーフウェイバックとハーフウェイダウンではクラブが自分のカラダの前にあることを意識しましょう。
バックスイングの2つの重要点
バックスイングがオートマチックに上がるには、後述の2つの要素が重要です。
バックスイングは「ハーフスイングが基本」となり、その延長線になります。
①カラダの回転でクラブを上げる
手や腕でクラブを上げないのが前提ですが、前傾姿勢に対して縦に回転します。
後頭部のある位置を軸と考えたときに、両肩を縦に回転する感覚です。
背骨の対角線上に縦回転しますが、前傾姿勢が取れていないと縦に回転できません。
バックスイングで縦回転すると、左脇腹が縮まり右脇腹が伸ばされた感覚があります。
クラブがインサイドに上がったり、バックスイングで脇が開いたりする場合は、横に回転している可能性が高いです。
②カラダの軸がズレない
背骨を真っすぐな1本の軸として、スイング中は上半身を縦に回転させます。
筆者がゴルフ始めた頃、「軸は頭を動かさないこと」と勘違いをしていました。
スイング中は回転不足になるため、背中側の背骨を軸と考えましょう。
軸は左右上下ありますが、特に左右の軸がブレないように注意します。
止まっている状態の「静」から「動」のキッカケをつくる3つの予備動作を紹介
バックスイングの始動は個人によりさまざまです。
アドレスの止まっている静止の状態から、スイングの始動のキッカケになる予備動作を紹介します。
バックスイングがスムーズにいかないゴルファーは、自分に最適な下記の3つの動作から選びましょう。
3つの動作を取り入れる理由
- アドレスの「静止」状態から始動をスムーズに行うため
- アドレスで力まないため
- テイクバックをスムーズにし、クラブをオートマチックに上げるため
①フォワードプレスの動きを利用する
フォワードプレスとは、アドレスの状態からテイクバックに移るために、左手のグリップだけを飛球線方向に動かして戻します。
そのグリップの動きを利用して、一気にクラブを振り上げてバックスイングをします。
フォワードプレスを入れることでクラブをスムーズに動かしやすくなるキッカケになります。
②両足で足踏みをする
アドレスの静止した状態からスイングするキッカケをつかめないゴルファーは、両足を小刻みにバタつかせます。
左右の足をバタつかせ、右足に体重が移動した勢いを利用してテイクバックに入ります。
体重移動と言っても、左右に大きく移動するわけではありません。
両足で足踏みするのは、歩行する程度の体重移動です。
③ワッグルを使い、スイング前のテイクバックを再確認する
ワッグルとは、アドレスのときにボールに当てないように後方でクラブヘッドを動かす動作です。
そのクラブヘッドが動く動きを利用して、テイクバックをします。
ワッグルは手首を使いすぎたり、動きが速すぎたりするのも良くありません。
自分のテンポとリズムでスムーズにテイクバックが取れるワッグルを取り入れましょう。
バックスイングでオートマチックにクラブが上がる条件
結論から言うと、バックスイングをオートマチック(自然で無意識)にクラブを上げるには、ハーフウェイバックまでの動作が超重要です。
スイングの初動段階でズレが発生すると、再現性が著しく低下します。
ハーフウェイバックまでの動きができれば、後はカラダの回転でオートマチックなスイングができます。
クラブに遠心力を与えられている
遠心力は自分のカラダの外側に働く力です。
例えばバケツの中に水を入れます。
そのバケツの水を振り回し水がこぼれないのは、遠心力がバケツの底に働いている状態です。
クラブに遠心力を与えるには、スイングの始動段階で余分なブレがないことが前提ですが、下記の内容が条件になります。
クラブに遠心力を与える条件
- 無駄な力が抜けている
- スイング中に軸がブレないこと
- ダウンスイングでクラブを引き付けない
- 正しいプレーンに沿って、クラブを振り上げること
カラダの使い方や正しい軌道でクラブが上がっている
バックスイングから切り返しのダウンスイングでは、自分でクラブをコントロールするのは至難の業です。
スイングはポジション6の位置で、ショットの良し悪しがほぼ決まります。
正しいインパクトを迎えるには、ポジション2のハーフウェイバックまでのバックスイングの動きが大切です。
ポジション2と6がわからない方は下記の記事を参考にしてください。
関連記事
突然、ボールに当たらなくなったときの6つの対策と練習方法【ゴルフ初心者】の「ポジションシステムの定義を解説」
バックスイングをオートマチックに上げやすくなるドリル
下記で紹介するドリルを実際のスイングに取り入れ、バックスイングをスムーズに上げれるように試してみましょう。
もしドリルでボールに当たらないなら、「ハーフスイング」から見直し改善点がないか原因を探りましょう。
理想なスイング軌道に上げるには「ハーフスイング」を徹底的に練習する
筆者の記事で何度も紹介している「ハーフスイング」の練習です。ゴルフスイングの基本中の基本になります。
「ハーフスイング」でスイングにブレが生じると、どこかで余分な動作を修復しなければショットの成功につながりません。
ゴルフ上達したいゴルファーは、一時的な調子の良さより再現性の高い安定したショット精度を目ざしたいと思っています。
ショットが広角打法で方向性が定まらなかったり、バックスイングに違和感があったりする場合は「ハーフスイング」から見直しましょう。
「ハーフスイング」ができれば、バックスイングは延長線なのでカラダを回転させるたけです。
関連記事
ゴルフ練習場のマナーとやってはいけない練習法7選【ゴルフ初心者】の「スイングの大切な要素が詰まった小さい幅からハーフスイングの4段階の練習」を参考
プロゴルファーが行う飛球線方向に一度クラブを出してからバックスイングする
プロゴルファーのテレビ中継で良く観る光景です。男子より女子プロの方がルーティンとして取り入れている印象があります。
そのルーティンとは、クラブヘッドを飛球線方向に出してからバックスイングを上げる動作です。
そのルーティンをドリルに応用して、バックスイングをオートマチックに上げるための練習になります。
下記の手順でドリルを繰り返し、勝手にバックスイングがオートマチックに上がるスイングを目ざします。
バックスイングをオートマチックにするドリル
- 腕は力まずにアドレスを取る
- カラダとクラブが飛球線方向に一緒に少し左回転する
- 飛球線方向に動いたクラブヘッドの動きを利用し、一気に右にバックスイングをする
- ①から③の素振りをしてから、同じ手順で実際にボールを打ちます
上記のドリルを行う際に、注意点があります。
③の飛球線方向にクラブを出すときとバックスイングするときは、ボールに触れないように注意してください。
実際にドリルが上手に行かない場合は、ハーフウェイバックに問題がある可能性があります。
前段階のハーフスイングに戻り、自分のクセや余分な動作がないか原因を探りましょう。
実際のスイングでは、クラブヘッドを飛球線方向に出しません。
あくまでも始動でもたつかないで、オートマチックに正しくバックスイングをするためです。
ショットの成功率を上げるために、バックスイングを正しくオートマチックに上げるコツをつかみましょう。
まとめ
バックスイングの良し悪しでショットの7割程度の成否が決まります。
バックスイングの切り返しからダウンスイングでスイングを修正するのは困難です。
アドレスからスイングの初期段階のハーフウェイバックまでの動作が非常に重要になります。
オートマチックに正しくバックスイングを上げることで、ショット精度が劇的に変わります。
正しいバックスイングをするためには、「ハーフスイング」の練習が不可欠です。
100切り目標のゴルフ初心者は、毎回の練習で「ハーフスイング」を取り入れましょう。