ゴルフはルールと同じくらい大切なマナーがあります。ゴルフでスコアの決め手になるパッティング。
パッティングはゴルフスコアの約4割を占めると言われます。
本記事ではゴルフ初心者に向けて、ラウンドで困らないグリーン上の覚えておきたいマナーを解説します。
マナーに無頓着なゴルファーは、周囲のゴルファーから嫌われます。後述するマナーはすべて実行しなくてもOK。
決して難しいものでなく、できるものから1つずつ増やしマナーを覚えます。
自分のプレーに集中しすぎて、周囲の状況が見えなくなってはいけません。
本記事を一読していただき、ゴルフの技術も大切ですが、ルールとマナーも並行して覚えましょう。
同伴者にマナー違反で「イラッとさせる行為」がないように注意しましょう。
パッティンググリーンが良いコンディションでゴルフできるように配慮することが大切
グリーン上での最低限のマナー
グリーン上では、プレーヤーが気をつけるべきマナーが多くあります。
グリーン上で守ってほしいマナーは大きく分けると「芝を傷つけない」「同伴者の邪魔をしない」「スロープレーをしない」の3つです。
後述で詳しく解説します。
グリーン上で守ってほしい3つのマナー
- 芝を傷つけない
- 同伴者の邪魔をしない
- スロープレーをしない
芝を傷つけてしまう行為
グリーン上は芝を短く刈ってあり、ゴルフ場の管理者が最も気を使うエリア。
この記事の読者はしないと思うが、グリーン上で走ったり、足を引きずったりするなどのNG行為はやめましょう。
芝は繊細で簡単に傷ついてしまします。グリーンの芝目が変わり、ボールが予想通りのラインを転がってくれない可能性大です。
芝を傷つけてしまう行為
- グリーン上を走らない
- 足を引きずらない
- 寝転ばない
- セルフバックをグリーン上に置かないなど
セルフバッグの置く場所に注意
肌感覚ですが、セルフスタンドバッグの持ち込みを禁止するゴルフ場が増えています。
ゴルフ場の理由としては乗用カートの破損、グリーン面の保護などが主な原因でしょう。
乗用カートの破損はカゴなどの強度が弱い箇所に無理やりフックをさせて備品を壊すパターンです。
深刻なのは、セルフバッグをグリーン上に置いているゴルファーがまれにいること。
自分も過去に2回、目撃しましたが、氷山の一角です。
コロナ禍でゴルフ需要が高まり、ラウンド経験が浅い初心者同士でプレーするゴルファーを見かけます。
マナー違反と知らずにプレーしているゴルファーです。
セルフバッグを使っているゴルファーは、グリーン以外の乗用カートとグリーンの動線上に置きましょう。
決してグリーン上にセルフバッグを置いてはいけません。
構えたら動かない、音を立てない
仕事を大義名分に、携帯の着信音を平然と鳴らす方がたまにいます。あたり前ですがマナーモードにしましょう。
また静まり返ったゴルフ場で、同伴者同士の雑談が盛り上がり、ヒソヒソ話しをする方がいます。
プレー中の数分は動かない、音を立てないことを徹底しましょう。
せきやクシャミなどの生理現象は仕方ないが、手で抑えるなどして極力音を立てない配慮が必要です。
プレー中に気になる音
- 携帯の着信音はもってのほか
- クラブの接触する音
- クラブを落とす
- グローブのマジックテープ(面ファスナー)の剥がすときのバリバリという音
- ナイロン生地のシャカシャカ音
- ヒソヒソ話しをしない
- せきやクシャミの生理現象など
同伴者のラインを踏まない
同伴者のラインを踏まない内容は後述で詳しく解説。
同伴者のラインをまたぐときは、ラインを踏んでいることが大半です。
無理して大股でラインをまたいだときは、ライン上を思いっきり踏んでいます。
踏んだ場所が普通に歩くより、へこんでいるのでたちが悪い。面倒でもプレーヤーの後ろに遠回りして外周をするのが常識。
同伴者のラインをまたぐ行為はやめましょう。
マナー違反ですが、仲間内であれば「ラインを踏むよ」と言って、ライン上をゆっくり歩いてもらった方がよっぽど良い。
スロープレーに注意
スロープレーはグリーン上に限ったことではありません。コンペなどでよく見るスロープレーにつながる行動を上げました。
グリーン上の行動は、慣れると自然にできます。しかしラウンド経験が浅い初心者には、たくさんのタスクがあり忙しい。
全部を完璧にできなくても良いので、プレーファーストを意識しましょう。
グリーン上での作業(順番が前後しても)OK
- グリーンに乗ったら同伴者のマークに注意し、自分のボールをマークする
- ピッチマークを直す
- 使用しないクラブをグリーン外の乗用カートの動線上に置く
- 素振りやパッティングラインを読む
- 打順が回ってきたら、すぐパットできる状態にする
- パットが終了し同伴者全員がホールアウトするまで、プレーを静かに見守る
- グリーン周辺に置き忘れをしていないか確認する
グリーンのライン読みに時間をかけない
同伴者がプレー中に自分のパットする準備を済ませましょう。
スロープレーの酷いゴルファーは、自分の打順が回ってきて、はじめて傾斜などのパッティングラインを読み始めます。
しかしスコアの肝となるケースやロングパットでファーストパットのときは、同伴者に時間をかけることを謝り声をかけます。
プレーにも緩急をつけて移動は機敏にプレーは落ち着いて行う、基本プレーファーストを意識します。
同伴者がプレー中に次打の準備をする
プレー中は同伴者のボールの行方を確認しています。自分の打順が回ってきてから、初めてパッティングの準備をするゴルファーがいます。
スロープレーで嫌われますので注意しましょう。
スロープレー防止のため「40秒ルール」が存在します。自分の打順が回ってきたら、40秒以内にストロークをしなければなりません。
上述のグリーン上の作業で、同伴者のプレー中にできることがあれば、事前に済ませましょう。
使用しないクラブは乗用カートの動線上に置く
使わないクラブは、グリーン上の外に置きます。不要なクラブは、自分が乗用カート方向に歩く動線上に置くことを勧めます。
ラウンド経験が浅い初心者は、グリーンオンした近くにクラブを置きます。
パットが終わりホールアウトしたら、クラブのある位置に戻るので二度手間です。
不要なクラブを動線上の道筋に置けば、スムーズに乗用カートに歩いていけて置き忘れ防止になります。
グリーン上でスコアカードを記入しない
スコアカード記入は乗用カートの移動中や次のティーイングエリアでしましょう。
後続組が待機している状態では、ホールアウトしたらすみやかにグリーンをあけましょう。
またホールアウトをして後続組が待っているにもかかわらず、乗用カートに戻る途中で歩きながらスコアを記入するゴルファーがいます。
マナー違反になるので注意しましょう。
プレー直前のプレーヤーに話しかけない
待機中でプレーができて打てる状態、アドレスを構える前に話しかけるのは気が散ります。
プレーする同伴者は集中したり、考え事をしたりしています。ストロークをする時間は、ほんの数秒。
状況を考えて話しかけ、ストロークの直前はプレーが終わるまで待ちます。
同伴者のプレーの邪魔をしない(立ち位置)
プレーする同伴者の視界に入らないように配慮します。プレーヤーの視界に同伴者が見えると気が散ります。
待っている同伴者は、プレーヤーの視界に入らないように立ち位置に注意します。
プレーヤーの後方や、プレーヤーの正面の場合は3メートル以上、離れた位置で静止して待ちます。
パットの後方線上と延長線上には立たない
同伴者のプレーでボールの転がりやラインを参考にするのはOK。
しかしプレーヤーの後方線上やカップの延長線上に立ち、プレーを「じっと」凝視して見る行為はマナー違反。
いくら3メートル以上離れていても、延長線上で見られるのはプレーヤーの視界に入ります。プレーヤーの視界に入る立ち位置が悪い。
パットの線上に影を落とさない
相手がストロークをしているときに、そのプレーヤーのパット線上に影を落とすのはNG。
特に夏場などの日照時間の関係で影が伸びやすい時期です。自分の影がプレーヤーの邪魔にならないように注意しましょう。
グリーンオンをしたら必ずマーク
グリーンオンをしたら、傾斜などのラインを読むことより、真っ先にボールにマークをします。
同伴者のラインに自分のマークがあるときは「マークを移動しましょうか?」と声をかけてあげましょう。
周囲の状況を観察し、同伴者に気を配ることのマナーが大切です。
同伴者のパットが済んでからボールをリプレースする
まれに同伴者のパッティングが済んでいないのに、ボールをリプレースするせっかちなゴルファーがいます。
同伴者のプレーが終わり、自分の打順が回ってきてからボールをリプレースしましょう。
同伴者と逆方向にボールがあり、5メートル以上のロングパットでは問題ないと思います。
しかし短いパッティングのスルーライン上にボールがあるケースです。
もしプレーする本人はカップインしなかったら、同伴者のボールに当たる可能性があります。(ボールが衝突した場合、2打罰)
2打目以降のパットでも同様で必ずマークします。マナー違反になりますので、注意しましょう。
スルーラインとは、パッティングでカップを外した返しパットが想定されるラインのこと。
例えばスライスラインのパットがあります。カップインしなかったときに、パットを外す方向の大半が右側エリア。その右側エリアから返しのパットを想定します。パットを外す想定エリアからカップ間をスルーラインと呼びます。
大小のボールマークを使い分ける
ボールマークはさまざまな形状があります。
マークが小さすぎるとカップから遠いときに、どこにマークしたのか自分でも分からなくなります。
カップから遠いロングパットは大きいボールマーク、近いショートパットは小さいボールマークを使うなどして工夫しましょう。
同伴者のボールとマーク位置を確認
ボールとマーク位置を把握するのは、同伴者のパッティングラインを踏まない、またがないためです。
同伴者のボールマークがわからなくて踏んでしまった場合、故意でなければ「すみません」と謝りましょう。
ラインを踏んだり、またいだりする行為
ラインとは、ボールからカップに入るまでのボールの道筋です。
グリーンは芝を短く刈られ繊細のため、傷つきやすい。グリーンの芝の流れや傷、凹凸などでボールの転がり具合が変わります。
ラインを踏む行為は、パッティングに影響しカップインを左右します。
同伴者のパッティングラインは踏まない、またがないの配慮が必要です。
またパッティングするときに、ラインを踏まない配慮を示し、大股などの格好でパットするゴルファーがいます。
ラインを踏んでいる重心側の体重が、余計に芝をへこませます。
同伴者のラインを踏む可能性があるときは、面倒でもマークをしラインを踏まないように努めます。
エイムポイントでラインを踏む行為
エイムラインの詳しい内容は割愛しますが、簡単に説明します。
プロのツアーで自分のラインをまたいでいる光景を、テレビ中継で見たことがあると思います。
ラインをまたいだ両足で傾斜の傾き具合を感じ、パッティングラインを導き出す方法です。
カップの2~3メートル以内で自分のラインをまたぐと、間違いなく同伴者のパッティングラインを踏みます。
マナー違反なので注意しましょう。
スルーラインも踏まない
ボールとカップ間のラインを踏まないのはもちろんですが、カップを外した返しパットが想定されるライン(スルーライン)も踏まないように気をつけましょう。
パッティングでカップを外すのは、大概下側のライン(スルーライン)のため意識しましょう。
フックラインの場合、カップの左側に外しやすい。同伴者のスルーラインを配慮して、右側からカップのボールをピックアップします。
ライン上を移動しない
ラインを踏む行為は、ボールの行方を変えてしまいパッティングに悪影響を及ぼします。
キレイなグリーンと比べ、ボールの転がりを悪くします。同伴者全員のパッティングラインを踏まないで、またいで移動するのは至難の業。
仮にラインを踏んでなくても、同伴者からは良く思われません。面倒でも同伴者プレーヤーの後ろを通りましょう。
ボールマークは必ず直す
グリーンにボールが落下する衝撃で、できるくぼみをボールマーク(ピッチマーク)と呼びます。
後続組のプレーヤーが、気持ちよくプレーできるようにボールマークは必ず直します。グリーンマークを直すときは、グリーンフォークを使って直します。
ボールの落下痕を放置すると芝が枯れる
ゴルフ場のグリーンで、仕上がり具合がコースの良し悪しを決める生命線です。
ボールマークを放置すると、芝が枯れ再生するまで時間を要します。
自分のつけたボールマークやパッティングライン付近のボールマークは、時間に余裕があれば直しましょう。
自分がプレーするゴルフ場が、ボコボコのグリーンではモチベーションが下がります。
パッティンググリーンは大切にしましょう。
他人のホールマークも気づいたら直す
自分がつけたボールマーク以外で、例えば2個のボールマークを直すと目標を決めてグリーン保護に努めます。
ゴルフ場を利用するゴルファーの一人ひとりが注意すれば、キレイなグリーンが維持されます。
グリーンフォークを使用する
ボールマークを直すのは、専用のグリーンフォークの器具を使います。
ボールマークを直すには、芝を押し上げたり、無理に寄せたりしないでください。芝の根を切り、返ってダメージを与えます。
グリーン上で茶褐色の斑点が残っていたら、間違ったボールマークの直し方をした結果です。
傷ついた芝のメンテナンスは非常に時間を要します。
下記はディボットスティックの紹介です。
通常のグリーンフォークと比べ、2~3回ほど芝生に刺せばピッチマークが直せます。自分はポケットの中ががかさばるが、探しやすく芝生に何回もフォークを刺す手間が省けるので使っています。自分自身が気に入った、使いやすいグリーンフォークを見つけてください。
カップ周辺の約30センチ分は踏まない
ホールアウトするときは、カップの縁に触れない、踏まないように注意します。
カップ周辺を踏まないでほしいのは、カップイン直前のスピードが弱まったボールに影響するからです。
カップの縁はデリケートで天気が良い乾燥した日は、余計にカップが崩れやすい。
カップからボールを取るときは、指や手の甲がカップの縁に接触しないように慎重に取り上げます。もしボールが取りづらい場合、面倒でも一度ピン(旗)を抜いてからボールを取るようにしましょう。
ホールアウトしても同伴者のプレーを見届ける
同組4人がホールアウトするまで、グリーン周辺で待ちます。ゴルフは個人競技ですが、同伴者と複数人で協力して行うスポーツ。
自分以外のゴルフ場でプレーするゴルファーを気にかけ配慮することも大切です。
ホールアウトしたもの同士のコソコソ話しや、毎ホール、自分勝手に乗用カートに戻る行為はNG。
真剣にパッティングするプレーヤーの迷惑になる可能性があります。
待っている同伴者は、グリーン周辺にクラブの置き忘れをしていないか確認し、同伴者のプレーを静かに見守りましょう。
まとめ
グリーン上の守ってほしいマナーは大きく分けると「芝を傷つけない」「同伴者の邪魔をしない」「スロープレーをしない」の3つです。
ラウンド経験が浅い初心者は、やる作業が多くて「グリーン上は慌ただしいな」と思うかもしれません。
慣れてくると余裕もできるので、1つずつマナーを覚えましょう。
まれに同伴者の地雷を踏むような言動や無礼なゴルファーに遭遇します。他人から「こいつとはラウンドをしたくない」と思われないように気をつけましょう。
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