ラウンドをしていると、ボールが障害物に接触することがあります。
その障害物をどのように処置するか迷った経験はないでしょうか?
本記事では初心者ゴルファーに向けて、障害物には動かせる障害物と動かせない障害物があり、シチュエーション別に救済方法などを紹介します。
仲間内では自分の裁量でプレーをしているが、競技やコンペでは正しいルールを覚えておきたいです。
救済の行為によっては重大な違反になるケースもあります。
本記事を一読していただき、動かせる障害物と動かせない障害物の違いと救済方法を正しく理解しましょう。
ラウンドでよく出てくるシチュエーションです。障害物の違いと救済方法を理解しましょう
動かせる障害物と動かせない障害物との違い
ゴルフルールでの障害物は、プレーに影響を及ぼすコース内の人工物を指します。
障害物の中には、動かせる障害物と動かせない障害物に分かれます。ルールにより救済方法がさまざまです。
すべての障害物が、救済を受けられませんので注意が必要です。
紛らわしいルースインペディメントと動かせる障害物の違いも紹介。
障害物の救済ができるかどうかを正しく理解しましょう。
動かせる障害物は簡単に移動できる人工物のこと
出典:R&A USGA ゴルフ規則
規則の目的:規則15はプレーヤーがルースインペディメントと動かせる障害物から罰なしに救済を受けることができる場合とその方法を扱っている。
これらの動かせる自然物や人工物はコースをプレーする上での挑戦の一部とは扱われず、それらがプレーの障害となる場合、プレーヤーは通常、それらを取り除くことが認められる。
しかし、そのプレーヤーはパッティンググリーン以外の場所にある球の近くのルースインペディメントを動かすときには注意する必要がある。なぜなら、それらを動かしたことが球を動かす原因となった場合には罰があるからである。
動かせる障害物は、物理的な努力でその障害物やコース損傷をさせずに動かすことができる障害物のこと。
不可分の物(樹木に巻き付いた防護ネットやバンカーの縁を押さえた枕木など)と境界線(OBの白杭など)を除くすべてのコース上の人工物です。
動かせる障害物
- カード道を示す看板
- ペナルティーエリアを示す赤杭
- 黄杭
- ヤード杭
- バンカーレーキ
- カート
- 空き缶など
ボールが障害物に触れて動かせる障害物を取り除いた結果、ボールが動いても無罰。
動いたボールは元の位置にリプレースします。
動かせる障害物であれば、ボールに泥が付いていれば拭くこともできるルールです。
プレーヤーはコース内外のどこでも障害物を取りのぞけます。
動かせる障害物がスイングの邪魔になったり、プレー線上にあったりした場合、邪魔にならないように動かせます。
動かせない障害物は、簡単に動かせない人工物のこと
規則の目的:規則16は違う場所から球をプレーすることによって罰なしの救済を受けることができる場合とその方法を扱っている(例えば、異常なコース状態や危険な動物の状態による障害がある場合)。これらの状態はコースをプレーする上での挑戦の一部ではなく、ペナルティーエリアを除き、罰なしの救済が一般的に認められる。
プレーヤーは通常は完全な救済のニヤレストポイントに基づく救済エリアに球をドロップすることによって救済を受ける。
この規則は、プレーヤーの球がジェネラルエリアで自らのピッチマークにくい込んだ場合にも罰なしの救済を扱っている。
出典:R&A USGA ゴルフ規則
動かせない障害物は、不合理な努力なしにその障害物やコースを壊さずに動かすことができないもの。
動かせる障害物の定義に合致しないあらゆる障害物です。
動かせない障害物
- クラブハウスや茶店などの建造物
- カート道
- 修理地
- 排水溝
- スプリンクラー
- 樹木の支柱
- 一時的な水
- 穴掘り動物、虫、鳥などによって作られた穴
- 異常なライなど
動かせない障害物と異常なコース状態は無罰で救済を受けられます。
動かせない障害物がスタンスやスイングの直接の妨げになれば、救済が受けられます。
プレーヤーのボールがペナルティーエリアの中にある場合、動かせない障害物からの救済はできません。
動かせる障害物とルースインペディメントの注意点
動かせる障害物と間違いやすいのが、ルースインペディメントです。
ルースインペディメントはどこの場所でも取り除けます。
ルースインペディメント
- 葉っぱ
- 枝
- 小石
- 動物の死骸
- ミミズなどの昆虫
- クモの巣
- 動物の放出物
- 蓄積物など
ルースインペディメントでないもの
- 砂
- 根付いている草
- 動かない石
- 固定物
- ボールの付着物
- 露
- 霜など
ルースインペディメントをどけようとしてボールが動いた場合、1罰打のペナルティーになり、元の位置に戻してリプレースします。
グリーン上で砂とバラバラの土はルースインペディメントになるが、それ以外の場所ではルースインペディメントにならないので注意が必要です。
ボールが動いた場合、動かせる障害物は無罰でルースインペディメントは1罰打のルールに違いがあります。
人工物で障害物にならないもの(OBの白杭)は救済の対象外
OBの白杭は簡単に抜けても動かしてはいけません。
OBの白杭やOBラインの役割を果たすフェンス、ネットなどはルール上の障害物にはなりません。
OB杭を動かした場合、2罰打のペナルティーが科せられます。
OBラインの外にある人工物もコース外のため、障害物になりません。
よって直接スタンスやスイングの邪魔になっても、コース外のため救済を受けられません。
障害物からの救済
ペナルティーエリアであるバンカーや池などにボールがある場合、動かせる障害物の救済は適用できるが動かせない障害物には適用ができません。
ラウンドで動かせる障害物、動かせない障害物の救済の場面が出てきます。
すべてを網羅してませんが、処置を間違えるとペナルティーになるケースがあります。
知らない曖昧なゴルフルールは1つずつ理解しラウンドで役立てましょう。
動かせる障害物からの救済
動かせる障害物は、動かしてプレーできるので救済の対象外です。
ボールがタオルの上に止まった場合、(そんな状況は今までにないが)ノーペナルティーでボールを拾い上げます。
障害物のタオルを取り除き、救済を受けるための基点を決めます。
その基点は動かせる障害物に止まっているボールの真下と推定する地点です。
救済エリアの範囲は基点の1クラブレングスで、かつ基点と同じコースエリアでホールに近づかないのが条件です。
次の状況は、ボールがバンカーレーキに寄りかかっている状態です。
バンカーレーキを取り除き、ボールが動いても無罰。
動いたボールは元の位置にリプレースします。
傾斜面などの状況でどうしてもボールが止まらない場合、元の位置から徐々に動かして止まった位置からプレーします。
動かせない障害物からの救済
プレーヤーの球が動かせない障害物に触れている場合、救済が認められます。
ペナルティーエリア以外の場所で動かせない障害物が、スタンスやスイング区域の直接の妨げになれば救済は受けられます。
動かせない障害物でよくあるルールの勘違いがあります。
意図する飛球線上に障害物があっても救済の対象になりません。
つまりボール前方の飛球線上に、ぶつかる可能性の高い障害物がある場合、邪魔なのを理由に救済は受けられません。
不合理な場合と不合理なクラブも動かせない障害物の救済の対象外です。
不合理な場合と不合理なクラブとは
- プレーヤーが広いスタンスをとる
- 右打ちのプレーヤーが左打ちになる
- アイアンで打つべき場面をドライバーを持つ
不合理な場面と不合理なクラブとは、上述のような行為をし、障害物の救済を受けるのは違反になります。
プレーヤーが動かせない障害物(例えばカート道など)の上に立っているが、ボールがブッシュの中にあるためにストロークをすることができない場合は救済を受けられません。
また打てない木の根っこにボールがあり、アイアンでなく長いドライバーを持ってスタンスを取るとカート道に足がかかるので救済するのもなしです。
姑息な手段を使って、ゴルフルールにない行為をし救済を得るのはやめましょう。
カート道路にスタンスがかかった場合の救済の手順
ボールがカート道に乗っていなくても、スタンスがカート道にかかる場合は救済が受けられます。
上図の画像は、救済エリアを決める手順になります。
まずニアレストポイントABを決めます。次に元のボールのある地点からABのどちらが近いか考えます。
Aがニアレストポイントになり、その基点から1クラブレングス以内に正しくドロップします。
救済エリアを決める手順
- 完全な救済のニアレストポイントを基点にします
- ボールが止まった場所から最も近い地点
- スタンスやスイング区域に対して障害を避けられる範囲
- ホールに近づかない
- 1クラブレングス以内
- ボールは正しくドロップする
- 救済エリアの範囲内に止まらなければなりません
-
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まとめ
障害物には、動かせる障害物と動かせない障害物に分類されます。
動かせない障害物の救済方法はラウンドをしていると頻繁に出てきます。
曖昧なルールは同伴者にその都度確認をしたり、自分で調べたりして覚えます。
過去にコンペでスコアが80台後半のゴルファーと一緒にラウンドをしたときの話です。
その初対面のゴルファーは何でもありで、OB杭を抜いたりボール後ろのライを足でならしたりとルールがおざなりでした。
やはりコンペとは言え、あからさまなマナーやルール違反は見ていて気持ちの良いものではありません。
それぞれの救済方法や解釈を理解しラウンドで役立てましょう。