ゴルフ規則は4年に1度のサイクルで改訂がされています。2019年の大改訂後、2023年のゴルフ規則は小規模なマイナー改訂です。
プレーの簡素化とプレーファーストの観点から新ルールの主な8つの変更点を解説します。
本記事では全てのアマチュアゴルファーに向けて、2023年1月1日から施行する新ゴルフ規則の主な8つの変更点を解説。
ルールを細かく覚える必要はないという、アマチュアゴルファーが大半でしょう。しかしコンペや競技会で「同伴者が誰一人としてルールを知らない」というような状況がないように、徐々に従来ルールと並行して新ルールも覚えましょう。
ルールを覚えることで、コースマネジメントにも役立ちます。ゴルフルールは知っていて損はありません。
本記事を一読していただき、新ゴルフルールを参考にしてゴルフライフを充実させましょう。
ゴルフルールを学ぶことで、コースマネジメントにも役立ちます。ゴルフ技術を磨くことと同じくらいマナーやルールを覚えることが重要です。
実際のラウンドで起きそうな状況をコースエリア別に解説しています。
コンペや競技会などに参加されるアマチュアゴルファーは必見。
ゴルフルールが曖昧な方は、一度書店で手にとって見ましょう。
損傷したクラブの処置
足でクラブを折ったりクラブを地面にたたきつけたり、自ら乱暴に扱ったことが原因の場合は対象外です。
ラウンド中にクラブが破損した場合、交換や修復、そのまま使用できます。
これまでは損傷したクラブをそのまま使用するか、修理するかの選択肢しかなかった。
なおアマチュアゴルファーの大半は、自宅にあってもスペアクラブを持参していないので、あてはまるゴルファーはまれでしょう。
ボール捜索の合理的な時間
ボールの捜索時間は3分。ボールを見つけた後、そのボールを確認するためであれば1分間の時間が認められます。
ボール検索3分の制限以内にボールを発見し、遠方でボールが発見されても、その場所まで移動して確認する時間も含まれます。
間違ったボール交換
ボールの取り換えが認められないケースです。
2023年の規則では、誤ってインプレーのボールとしてプレーした場合、罰が軽減され2打罰が1打罰になった。
例えばグリーン上でマークして拾い上げ、ボールをポケットにしまいます。
うっかりポケットの別ボールでプレースをして、パッティングした場合は1打罰です。もしプレーする前に気づいて、正しいボールでプレーすれば無罰。
自然に動かされた球
ドロップやプレース、リプレースしたボールが止まった後、自然の力でボールが転がり他のエリアやOB区域に転がって止まった場合、無罰でリプレースします。
元のボールを取り戻せない場合、別のボールでリプレースします。
一方で通常のインプレーで止まっていたボールが、自然の力で動いた場合、動いて止まった地点からプレーしなければならない。止まっていたインプレーのボールが、自然の力で動き出し、OB区域に転がった場合はOBです。
リッキーファウラー選手の池の処置
「WMフェニックスオープン」で米国のリッキーファウラー選手の出来事です。
池に入れたボールをドロップの処置をします。リッキファウラー選手が打つ前にボールが動き出し、再び池に落ちてしまった。
従来のルールのためペナルティーが追加で科されました。
テレビで放送され、多くの視聴者から苦情が殺到したそうです。
救済を受けて止まったボールが、その後自然の力によって他のエリアに転がった場合、無罰でリプレースに変更になります。
ゴルフ場は5つの区域で構成される
ゴルフ場の全区域をコースと呼びます。
ティーイングエリア、バンカー、ペナルティーエリア、パッティングエリア、ジェネラルエリアの5つの区域で構成されます。
ジェネラルエリアは簡単に言うと、旧スルーザグリーンの呼び名が変わり意味は同じです。
ジェネラルエリアに含まれるもの
- ラフ
- フェアウェイ
- グラスバンカー
- サブグリーン
- 修理地
- 砂のないグラスバンカー
上述のリッキーファウラー選手の池の救済はジェネラルエリアに処置しますが、バンカーに入った場合も再度ボールの止まった地点に無罰でリプレースします。
フェアウェイにドロップし自然の力によってボールがラフに入った場合、フェアウェイとラフは両方ともジェネラルエリアのため、そのままインプレーです。
後方線上の救済の簡素化
2023年の規則では、「後方線上の救済」の救済エリアが変更されました。
ここでは、レッドペナルティーエリアの救済とバンカーのアンプレヤブルの救済について旧ルールと比較して解説します。
レッドペナルティーエリアの救済は3つの選択肢
2022年までのアンプレヤブルは、1打罰で3つの救済からの選択肢でした。
レッドペナルティーエリアの救済(旧ルール)
すべて基点よりホールに近づかない条件
- 元の地点から打ち直す。基点をとり、1クラブレングス以内の救済エリア(半円形)にドロップ
- ボールとホールを結んだ後方線上に基点をとり、1クラブレングス以内の救済エリア内にドロップ
- ボールが最後に横切ったと推定される地点(エントリーポイント)を基点とし、ラテラル救済を受ける。
2クラブレングス以内にドロップ
上述の①③は 旧ルールと同じですが、2023年新規則では②の後方線上の救済が簡略化。
新規則では、基点にティーを刺すなどの設定の必要がなく、プレーヤーは後方線上にドロップ。
②ではボールとホールを結ぶ後方線上にドロップします。後方線上の救済エリアは、プレーヤーが基準線上(線上にドロップ)にボールをドロップした落下地点が基点です。その基点からどの方向にも1クラブレングスの範囲内にボールがあれば救済が完了します。
旧ルールまでの救済エリアが、ホールに近づかないように半円形だったが、新ルールでは、1クラブレングスの円形に救済エリアが変更。
基点の落下地点からピンに近づいても1クラブレングス以内の範囲にボールが止まればOKです。
救済エリアは必ず基準線上(線上にドロップ)の1点にしかドロップできません。救済エリアにドロップをし、1クラブレングス以上転がった場合、再ドロップです。
ラテラル救済とは?
ラテラルとは「横の」とは「横に向かって」という意味。
救済エリアの基点を決めるときに、「横あたりからの救済」を受けられます。
レッドペナルティーエリアからの救済は、ボールが最後に横切った地点が基点です。
アンプレヤブルの救済処置は、見つかったボールの場所が基点。
つまりアンプレヤブルの救済の場合、ボールを見つけることが必要です。
「この辺にあると思う」ではアンプレヤブルの救済は受けられません。
バンカーのアンプレヤブルの救済は4つの選択肢
2022年までのアンプレヤブルは、4つの救済からの選択肢でした。
バンカーのアンプレヤブルの救済(旧ルール)
- 1打罰で、元の地点から打ち直す。基点をとり、1クラブレングス以内の救済エリアにドロップ
(基点よりホールに近づかない) - 1打罰で、バンカー内の後方線上の救済を受ける。1クラブレングス以内の救済エリアにドロップ
(基点よりホールに近づかないバンカー内であれば、距離に制限がない) - 1打罰で、バンカー内のラテラル救済を受ける。2クラブレングス以内の救済エリアにドロップ
(基点よりホールに近づかないバンカー内) - 2打罰で、バンカー外の後方線上の救済を受ける。1クラブレングス以内の救済エリアにドロップ
(基点よりホールに近づかないバンカー外)
上述の①③は旧ルールと同じですが、2023年は②④の後方線上の救済が簡素化。
②はバンカー内④はバンカー外の違いがありますが、考え方は同じです。新ルールの後方線上の救済エリアは、プレーヤーが後方の基準線上の1点にドロップします。その基点(落下地点)から、1クラブレングス以内の範囲にボールが止まれば救済OK。
障がいのあるプレーヤーのための規則を記載
障がいのあるゴルファーが、プレーするときに必要な規則を「規則の25条」に掲載し、ルールブックに組み込まれました。
すべての競技で適用され、規則に則してプレーする必要があります。
これまでは、ゴルフ規則になく別冊のローカルルールでしたが正式にルールブックに記載されました。
ハンディキャップの記入ルール変更
ストロークプレーで、ハンディーキャップをスコアに記入する大会に関連します。
2022年まではハンディーキャップを正しく記入しないスコアカードを提出した場合、失格になる可能性がありました。
2023年からはプレーヤーに責任はなく、間違ったハンディーキャップでも無罰になり、競技委員会側の責任です。
ルールブックプレイヤーズ版のデジタル化
時代の流れにより環境配慮の観点から、2019年に始まったプレーヤーズ版は廃止。
その代わりにゴルフ規則アプリが誕生します。このR&Aゴルフ規則は無料でダウンロードができます。
2022年までアメリカだけでルールブックは200万部でページに換算すると5億ページの印刷がなくなり、大幅な経費削減につながります。
ゴルフ規則書とゴルフ規則のオフィシャルガイドは発行されます。
R&Aゴルフ規則 R&A公式ゴルフ規則は、ゴルフ規則の全文が掲載されています。
まとめ
アマチュアゴルファーが覚えておくルールは、実際のラウンドのときに起こる可能性のあるルールです。全部を覚える必要はありません。
2022年までのルールと比べ、新ルールはどこが変更されたのかを確認しながら、徐々にルールを覚えます。
ゴルフのマナーやルールを学び、実際のラウンドに役立てましょう。
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